肛門のかゆみ

肛門のかゆみ

肛門の周りにできる湿疹・かぶれが原因で「かゆみ」を生じます。肛門の周囲の「かゆみ」は明らかな病変を認めないのに搔き(かき)むしることで皮膚のバリアが壊れ結果的に「かゆみ」が生じるものと、肛門皮膚に「かゆみ」を起こす病気があるという2つの理由がありますが、ほとんどは①です。
それを『肛門掻痒(そうよう)症』といいます!

肛門のかゆみの原因

『肛門掻痒(そうよう)症』は皮膚を守っている、正常な角質層のバリアが低下してしまったために起きます。

②の場合は『かゆみ』の原因となる病気の特定が大事です。

  • 皮膚の真菌症(カンジダや白癬など)
  • アレルギー性皮膚炎→かぶれ(下着や軟膏など)
  • 皮膚の病気(アトピー性皮膚炎、乾癬、尖圭コンジローマなど)
  • 痔疾患(痔核や粘膜脱の脱肛、痔瘻、裂肛)

肛門のかゆみの検査

皮膚の角質層が壊れることで、カンジダ(真菌)というカビの一種が弱い皮膚部に住み着いてしまうことがあります。それが原因で皮膚炎を起こしているものをカンジダ性皮膚炎といい、カンジダがいるかどうかの真菌検査が必要です。

肛門のかゆみの治療

まず『洗い過ぎない!』『排便後強く擦らない』『アルカリ性の石鹸で洗わない』と指導し、軟膏や、抗アレルギー剤の内服を処方します。かゆみの症状が強い場合はステロイド外用薬を使用しますが、カンジダがいると、カンジダの増殖をより亢進させてしまうため、カンジダが検査により陽性の場合は、まず抗真菌剤を使用し、カンジダを除菌することが必須です。

肛門のかゆみは「肛門科受診」か「皮膚科受診」か

患者さんは肛門周囲が痒い場合、『肛門科』受診か『皮膚科』受診かを迷われる方が多くいますが、正直どちらに先に行かれても診断や治療は同じと思います。ただ、脱肛などが原因でかぶれてしまう方は 肛門科受診をお勧めください