女性専用外来について

『肛門科』に行こう!!
女性専用外来について

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寺田 俊明 Toshiaki Terada

寺田 俊明Toshiaki Terada

  • 理事長
  • 院長
  • 大腸肛門病センター長

寺田病院HP:
https://terada-hospital.or.jp/

女性専用外来について女性の患者さんへの配慮として、女性の患者さんのみの時間や曜日を作っているクリニックや病院が増えてきました。その場合医師や事務員も含め、クリニック自体が女性だけで男性の入室を禁止している施設もあれば、医師や事務員には男性がいて、女性の患者さんのみ受け付けるという施設もあるようです。
肛門科へのハードルを少しでも下げようと医療機関も工夫、営業努力をしています。

肛門科に受診される患者さんの症状

a) 出血

肛門病変からの出血か腸管病変からの出血かを鑑別することが大事です。肛門病変からの出血は鮮血で、紙に付着する程度のものから噴出性に便器の水を真っ赤にするものまであります。暗赤色の出血を訴える場合は腸管からの出血を疑います。

b) 痛み

2,3日前からの急激な痛みは『切れ痔(裂肛)』、血栓性外痔核、肛門周囲膿瘍、嵌頓痔核を疑います。
内痔核は、前述のようには痛みを伴うことは少ないですが、内痔核の牽引で二次的に引き起こされる『随伴性の切れ痔(裂肛)』がないか、外痔核の腫れで痛くなってないかを診ます。
痔瘻は膿瘍を形成しない限り痛みは少なくて、不快感という表現で訴えられることが多いです。肛門周囲のかぶれやびらんを呈する肛門皮膚炎は鈍い痛みやかゆみを伴います。ヘルペスによる感染は会陰部付近に強い痛みを訴えます。

c)かゆみ

単純なかゆみの原因は排便後の清拭による摩擦や発汗などによるかぶれから起きる『掻痒症』です。掻破(痒い所を引っ掻く)行為で更に症状は悪くなって悪循環に陥ってしまいます。
皮膚科の先生から肛門科の受診を勧められるケースも多く、原因が肛門疾患(『切れ痔(裂肛)』や、肛門周囲の皮膚の感染症(尖圭コンジローマなど)、悪性腫瘍の場合もあり鑑別が必要です。
かゆみの治療は原因の除去が基本です。原因が肛門疾患の場合は一時的に症状が良くなっても、またすぐに症状を繰り返してしまう為、肛門科による適切な治療が必要です。

d)肛門付近のしこり(腫脹)

肛門に発生した『いぼ痔(痔核)』をしこりと訴えるケースや肛門から離れた部分にしこりがあると訴えるケースがあります。
肛門付近の場合は『内痔核』や『肛門ポリープ』の脱出や『外痔核』の腫れや『見張り疣』
離れている場合は『肛門周囲膿瘍』の腫れや『尖圭コンジーマ』などの感染による腫瘤を疑います。
皮垂(スキンタッグ)を訴える若い女性も多くみられますが、基本痛みや出血の原因にはならないので、便が拭きにくくなっているくらい大きなもの以外は、美容的治療は肛門科ではしないことが多いです。

e)肛門からの脱出(脱肛)

肛門からの脱出をきたす疾患は『内痔核』、『内外痔核』、『肛門ポリープ』、『直腸粘膜脱』、『直腸脱』などさまざまです。
脱出は病変が進行すると排便時の時だけだったものが、歩いたり、立っているだけでも脱出するようになってきます。『内痔核』の脱肛は、第2章①の『Goligher分類』が主に使われます。

f)下着の汚れ

原因としては『肛門疾患』によるもの。もしくは『会陰部や肛門付近の皮膚の病変』によるものがあります。肛門疾患によるものは『内痔核』、『内外痔核』、『直腸粘膜脱』、『肛門ポリープ』、『直腸脱』などのよる肛門外への脱出→脱肛によって、粘液や便の漏れが起きている場合。『痔瘻』の二次口からの膿瘍(膿み)の流出、『肛門括約筋不全』による粘液の漏れなどがあります。
皮膚病変から下着が汚れることもあり、各種『肛門周囲の皮膚炎』が悪くなり、びらんからの滲出液や『尖圭コンジローマ』、『膿皮症』、『毛巣洞』などからの滲出液も考えられます。

肛門の症状

診療方法

指での触診

指での触診『直腸肛門指診』といいます。肛門科の診察としては、非常に重要かつ有用な情報が得られる診察法ですが、同時に患者様にとっては羞恥心や恐怖心を強く抱いてしまう診察でもありますよね。
声をかけながら潤滑剤を十分につけた示指を愛護的に肛門内に挿入します。
この時に患者さんが、痛みを強く訴える場合は無理をしないで、軟膏坐剤や痛み止めで症状が少し良くなってから後日診察をすることもあります。
指を肛門に入れて、届く範囲で下部の直腸に病変が触れないかをみます。
肛門近くの直腸がんなら、指で触れます。
肛門に入れた指で挟むように肛門周囲の筋肉の緊張度や痛みの有無を確認します。
指を抜いた時に血液が付着していないかも重要で、血液の色の濃さで出血している部位の推測もできます。

肛門鏡・直腸鏡検査

肛門鏡・直腸鏡検査肛門の縁から約10cm口側までの肛門と下部直腸の観察が可能です。
電子直腸鏡は、モニターを見ながら患者様に説明することができて、自分のおしりがどのような状態なのかの理解力もアップします。

超音波検査

超音波検査肛門から筒状の超音波検査の器械を入れて、直腸・肛門周囲の状況を把握できます。膿みが溜まっているか!それが深いのか?浅いのか?
痔瘻の原発口(ばい菌の入った入り口)の位置判の判定やトンネル(瘻孔)の走行が明確にわかります。